損得だけを考えれば、
人間はまったく不公平にできています。
自分は清く正しく生きているのに損ばかりしている、
この世には神も仏もいないのか、と思われる方もいるでしょう。
しかし、仮に、善いことをした人は必ず得をし、
悪いことをした人は必ず損をするものと決まっているなら、
そもそも人間に「善悪」という概念は存在せず、
「損得」だけが価値のすべてとなってしまうでしょう。
すべての人が、損得勘定だけを考えて行動する――。
それこそ、想像するだにおぞましい、殺伐とした世界です。
たとえ損をしてでも正しく生きることに、意味があるのです。
人は、報われることを求めて信仰をもちますが、
世界中のどの宗教も、
「望み通りに報われること」を目的とはしていません。
「報われなくても満足できること」こそが、
人間にとって本当の幸福なのです。
逆境こそが、幸せの種です。
もしあなたが恵まれていないなら、
それはむしろ幸運であるといえるのです。
生まれつき恵まれている人が感じる幸せなど、
本当の幸せではありません。
恵まれていなくても感じられる幸せを見つけてください。